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- 「最高のピアノを」スタインウェイとは
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スタインウェイ&サンズは、生まれ故郷のドイツからアメリカに渡り、ニューヨークで世界最高のピアノ制作を目指しました。ニューヨークで地歩を固めた後、再びドイツ・ハンブルグでも生産を開始し、今日に至ります。
スタインウェイの足跡をたどることのできるいくつかのメモリアルスポットをご紹介します。
「ドイツ・ゼーゼン - ゼーゼン博物館」
ハインリッヒ・エンゲルハート・スタインヴェクは、スタインウェイ&サンズの創立者です。彼と息子たちはアメリカに渡ってから名前を英語読みに変えましたが、名前をアメリカ風に改めたことはその後の会社の発展に大いに役立ちました。
ハインリッヒは裕福な家の娘と結婚し、ゼーゼンで家庭を持ちます。6人の息子たちは皆ゼーゼンで生まれました。
長男テオドールと三男ヘンリーJr.は、ピアノ作りで非凡な才能を発揮しましたが、弟のウイリアムはマネジメントに長けていました。スタインウェイ&サンズのグランドピアノの価値をさまざまな方法でPRし、アメリカとヨーロッパの2大拠点でピアノを製造するまでに業務を拡大しました。
生まれ故郷のゼーゼンにもよく訪れていたと言います。ゼーゼンはウイリアムを名誉市民として歓迎し、スタインウェイは公園やスパを造るなど企業支援にも尽力しました。 ゼーゼン博物館にはスタインウェイ一族のコーナーが設けられ、スタインウェイがアメリカで初めて作ったスクエアピアノも展示してあります。ドイツに行ったら必ず訪れてみたいスポットです。
「ドイツ・ハンブルグ - スタインウェイ・ハンブルグ・ファクトリー」
ハンブルグはドイツ第2の港町で、同時に長い歴史のある音楽の都です。オペラハウスがあり、専属オーケストラはハンブルグ・フィルハーモニーと呼ばれています。メンデルスゾーンやブラームスの生誕の地であり、ハインリッヒ・ハイネなど作家も多く集った町です。
そのハンブルグに、1880年に建てられたスタインウェイのヨーロッパの拠点であるハンブルグ工場があります。ここで世界最高のピアノが生まれる理由の1つは、伝統のクラフトマンシップにあります。究極のピアノはスタインウェイ&サンズの最初期に100以上の特許を得た革新的な技術により生まれました。
リストやホロヴィッツに愛されたそのピアノ製造技術は今も忠実に受け継がれています。
そして、2つ目の理由として挙げられるのが、材料の厳選。創業から現在に至るまで、世界中に市場を求め最良の木材を調達し、それをハンブルグ工場で2年間、自然乾燥させます。そこから厳選した50%~60%の木材がピアノの素材として使用されます。
スタインウェイ・ハンブルグ工場の一室には、世紀を超え国境を超える1,600人のスタインウェイ・アーティストの写真と言葉が飾られています。美しく澄み渡る音色、身体の一部のように鳴るピアノを求めて、アーティストはスタインウェイを訪れたのでした。
「米国・ニューヨーク - スタインウェイホール」
ニューヨーク・マンハッタンの中心部57ストリートにあるスタインウェイホールは、一般の人が入れるショールーム、スタインウェイファミリーの展示ルーム、試弾室、そして、アーティストだけが通される地下室アーティストデパートメントからなっています。
そこでは300台近いピアノがアーティストに選ばれコンサートに使われるのを待っています。
ニューヨークに初めてスタインウェイホールが完成したのは1866年のこと。マンハッタンの14ストリートに2,000席を備えたメインホールを持つその場所は、瞬く間にニューヨークのアート&カルチャーシーンの中心になりました。
カーネギーホールがオープンする1891年まで、ニューヨークフィルハーモニーオーケストラはここに拠点をおきました。
最初のスタインウェイホールはその役割をカーネギーホールに譲りますが、カーネギーホールにはスタインウェイのコンサートグランドピアノが永続的に無償で貸し出され続けています。スタインウェイは常に、世界のアートシーンを牽引するニューヨークの芸術文化の中心にあるのです。
「米国・ニューヨーク - ブライアント・パーク」
ニューヨーク・クリスタルパレスの跡地にある公園。クリスタルパレスは、スタインウェイ&サンズが世界博覧会で満場一致で金賞を受賞し、国際舞台での輝かしい歴史の第1歩を記した会場です。現在はブライアント・パークとなり、マンハッタン・ミッドタウンのオフィスビルに囲まれた公園として市民の憩いの場になっています。噴水、メリーゴーランドやホリデーショップ、レストラン、カフェがあり、冬にはスケートリンクも開設されます。一年中を通してさまざまなイベントが行われています。