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グランドピアノの構造

掲載日:2014/10/03

グランドピアノは、18世紀初頭にクリストフォリが創ったチェンバロの構造に似ています。違いは、チェンバロは弦を爪で弾いて音を出す弦楽器であるのに対し、ピアノは鍵盤の動きをアクションと呼ばれる内部構造に伝えて、その先のハンマーで弦を叩いて音を出すということでした。しかしながら、その特殊な構造を維持するためには弦を張るための多大な力を制御しなくてはならないのです。
ここでは、今まで知らなかったグランドピアノの構造についてご紹介します。

グランドピアノの構造

グランドピアノの外部構造

グランドピアノの構造は、ケースなどの外部構造と内部機構に分けられます。ケースはチェンバロに倣った形をしていて、曲線を描くリム(側板)と水平に設置された響板、それらを下から支える頑丈な支柱で構成され、各部はそれぞれの特性に合わせた木材で作られています。さらに木製のケースの上蓋、上蓋を支えるプロップスティック、脚、これらが外部構造になります。なお響板はその特性上、内部構造に分類されています。

グランドピアノの内部構造

ケースとつなぎ合い、ピアノの内部構造を支えているのがフレームです。フレームは軽くて丈夫な鋳鉄で作られています。
しかし、ピアノが作られはじめた初期では木製のフレームが使われていました。グランドピアノの1本の弦にかかる力はおよそ70~80㎏になり、木製のフレームではその力を支えることができず耐久性に大きな問題がありました。

ヨーロッパ・ピアノの脆弱性を克服しようとしていたアメリカでは、1825年にパブコックが総鋳鉄のフレームの特許を取ります。これにより16~18トンに及ぶフレームにかかる力に耐えるフレームが完成しました。そこからピアノのフレームは金属製に変わります。

フレームには金属製の弦が張られています。一つの音に対して2本~3本の弦が張られますが、その張り方はヘンリー・スタインウェイが製作した交差弦システムになっています。
交差弦にすることにより、スペースを有効活用して弦の長さを抑えることができるのです。

ピアノは弦を振動させることにより音を出します。ピアノの鍵盤につながっている「アクション」という内部機構によって、弦をハンマーで叩いて振動させています。弦の振動は弦に接している駒ピンに伝えられます。
響板は弦の振動を響鳴させてピアノの響きを作り、響板の上には駒が乗っていて、駒は駒ピンから弦の振動を受け取り響板に伝えます。響板の下側には響板の木目と垂直に響棒が張られていて、振動を全方向に均等に伝える役割を果たします。

これらの機構全てを使って、グランドピアノの音色を作り上げているのです。

アップライトピアノの構造

アップライトピアノは、19世紀初頭に考案され、スクエアピアノよりもさらに省スペースであることから、19世紀半ばにはアメリカでも大流行しました。
アップライトピアノは、グランドピアノの響板を垂直に立てた構造になっています。このため、鍵盤とアクションの間には90度の角度で接続する部分(キャプスタンボタン)があります。グランドピアノでは地面に水平に張られた弦を叩くハンマーも、アップライトピアノでは、響板に沿って垂直に張られた弦を叩く構造になっています。
家庭の壁に沿って置くのに便利であることから普及したアップライトピアノですが、壁に沿って設置すると、響板の響きが壁にさえぎられ音がこもってしまいます。
空間の余裕があれば、壁から離し、上蓋を開けて演奏することにより、音をこもらせることなく響鳴させることが可能です。

グランドピアノ、アップライトピアノ共に、その構造は各メーカーによって若干異なります。例えば1872年にスタインウェイが発明したデュプレックススケール。これは、弦が振動する範囲の前後の部分の共鳴を加えることで倍音を出す装置で、現在はどのメーカーも使っています。
スタインウェイのデュプレックススケールにはネジや釘が一切使われておらず、ピンブロックが周囲と触れていないため、1音1音が際立って澄んだ音色を響かせます。しかしながら、他メーカーではピンブロックが周囲に触れてしまうものもあり、音質が下がってしまいます。このような微細な設計の差も、スタインウェイが世界のミュージシャンと聴衆に選ばれる差となっているのです。

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