グランドピアノとアップライトピアノの価格の違い

  1. ホーム
  2. Pianoコラム
  3. グランドピアノの基礎知識
  4. グランドピアノとアップライトピアノの価格の違い

グランドピアノとアップライトピアノのどちらを買うかと考えた場合、ピアノを置くスペースと並んで気にかかるのが価格ではないでしょうか?
ここではグランドピアノとアップライトピアノの価格について、一般的な違いをご紹介します。

グランドピアノとアップライトピアノの価格の違い

「ピンからキリまで」あるピアノの価格差

「ピンからキリまで」価格的にこの言葉がこれほどマッチする楽器はないといえるほど、ピアノの価格は高いものから安いものまでさまざまです。

国産の大手メーカーでは、グランドピアノ、アップライトピアノ共に価格帯に幅を持たせて数機種ずつのラインナップを揃えています。
100万円程度のコンパクト型グランドピアノから、コンサート仕様グランドピアノとなると数千万円のものまで。アップライトピアノなら40万円程度から数百万円のものまで、予算に合わせて選ぶことができます。

国産ではグランドピアノが200万円程度、アップライトピアノなら70万円程度が最も売れている価格帯と言えそうです。
スタインウェイやベーゼンドルファー、ベヒシュタインにファツィオリといった海外の一流メーカーのものになると、これよりさらに高額になりますが、国産海外産を問わず一般的にアップライトピアノよりグランドピアノのほうが高価な価格設定になっています。

グランドピアノがアップライトピアノより高いのはなぜ?

ではなぜグランドピアノはアップライトピアノより高価なのでしょうか?

グランドピアノとアップライトピアノの音を発する原理はどちらも同じ。アップライトピアノはグランドピアノの鍵盤より先の機構を垂直に起こした仕組みであることから考えても、鍵盤や弦の数、構造の大枠には大きな違いはありません。価格に差がなくても不思議ではない気さえしてしまいます。

グランドピアノとアップライトピアノの価格差は、部品数の差と製作工程の差から生まれています。
一般にアップライトピアノは7,000〜8,000点くらい、グランドピアノは10,000点前後の部品から成り立っています。単純に部品の数だけ比べても2,000点以上の差があります。

さらに決定的に差をつけているのが、制作工程です。主に初心者や、家庭内での使用をターゲットにしたアップライトピアノに対し、上級者やプロの演奏者、コンサートホールなどでの使用に応える必要があるグランドピアノでは、熟練した技術者が1点1点手作業で制作に携わります。
アップライトピアノの場合は、高価なものを除き、工場での量産体制の整った方法で生産されることがほとんどです。
そのためピアノ1つを作るためにかかる時間が大きく異なってきます。

グランドピアノより高価なアップライトピアノも存在する

国産メーカーのグランドピアノは安価なものでは100万円程度、欧州の一流メーカーではアップライトピアノでも400万円以上の価格のものもあります。

生産コストをおさえたグランドピアノよりもよい音色を響かせる、高価なアップライトピアノもあるのです。
とはいえ、こうした高価なアップライトピアノへの需要は決して大きくなく、アップライトピアノはあくまで「初心者の入門用のピアノ」として、置き場所的にも価格的にも控えめなものが人気を集めています。

対してグランドピアノ購入を検討する人は、ある程度の演奏を身につけ、より繊細な表現を求めている上級者。ピアノに対する思いもより強く、ある程度大きな出費も覚悟している人がほとんどです。
こうしたピアニストのより良い音を求める思いに答えるべく、価格を抑えることよりも、とにかくよい音を追求したグランドピアノが産まれてくるのでしょう。

PAGE TOP